『りんごの木を植えて』夏休み読書感想文コンクールの課題図書読んでみた 2022小学校高学年
もう8月、皆さん夏休みの宿題に苦労しているのではないでしょうか?
私は小学生の子供たちに読書感想文を書かせるのに苦労しています!
2022年度 夏休み読書感想文コンクール課題図書 小学校高学年
読書感想文 課題図書
『りんごの木を植えて』
読んでみました!
あらすじは…
小学校5年生の女の子みずほ、
二世帯住宅で、祖父母と暮らしている。
祖父は、とても穏やかで、兄に比べて勉強も運動もそれほど得意でないみずほにいつも寄り添っていてくれる。
そんな祖父が、5年前に患った癌を再発してしまう。
家の中の雰囲気で、祖父の病気が重い事を察するみずほ。
そして祖父の選択は、積極的な治療をせずに今まで通りの穏やかな日々を過ごす事だった…
私の感想は…
もう序盤から泣けてしまいました。
私にも高齢の親がいて、子供は小学生。ちょうどみずほの母親の世代です。これから親を看取って行くことになるのはわかっているのですが、
とにかくみずほと同じ気持ちになり、「おじいちゃん、行ってしまわないで、とにかく長生きして欲しい」と強く思いました。
しかし、配偶者であるおばあちゃんは、悲しみももちろんありますが、「本人がよく考えて決めた事だから」と、おじいちゃんの気持ちを尊重します。
そしておじいちゃんは、好きな絵を描いたり、みずほと過ごしたり、おそらく自分の望んだ日々を過ごしてゆっくりと死に向かって行きます。
そして、おそらくみずほと、読者である私も、おじいちゃんが死に向かって行くこと、その選択をした尊厳を受けいれて行くのです。
何度も涙しながら読みました。
読了して驚いたのが、この作者の方は1944年生まれ、この本を書いた時には76歳の方。後書きによると、ご自身が、親や配偶者を看取っていらっしゃるそうです。
けれどこの小説は5年生のみずほの目線で描いていて、そのみずみずしい感性に驚きます。
小学生の娘に、「この作者の人は78歳なんだよ」といったら、「めっちゃ若々しいな!」と驚いていました。
おそらく、身近な人の死を見た作者にとって、このおじいちゃんの生き方は理想的なものだったのではないでしょうか。
読後は爽やかな気持ちになりました。
タイトルの「リンゴの木を植えて」は
『たとえ明日、世界が滅亡しようとも、今日わたしはりんごの木を植える』
と言うマルティン・ルターの言葉から来ているそうです。
小学生が読書感想文を書くなら…
・自分の祖父母について考えて書く、
・みずほの気持ちになって、
もし自分の身近な人が病気になったら、と考える。
・おじいちゃんの気持ちについて考える。(もし自分病気だったら、受け入れられるだろうか、など)
そんな内容を考えると書きやすいのではないでしょうか。
とっても良いお話だったのですが、小学生の娘は
なんとなく感想文が書きづらいと思ったようで、他の本を選んでいました。
子供によっては、死について考えると言うテーマは難しいかもしれませんね。
でも大人も含めて是非沢山の人に読んで欲しいと思いました。